毎日、暑い日が続きますね。
このところはまとまった雨も降らず、湿地の中はまるで蒸し風呂のようです。
涼を求めて後谷へ行くと、水路の中にたくさんの二枚貝がいました。
二枚貝にとっても今年の夏は暑すぎるのか、
いつもより大きく殻を開いているように見えます。
(画像大きくなります)
写真に写っているのは口ではなく「水管」という管です。
二枚貝には、ものを食べるための口がありません。
そのかわりに、この水管で水中の有機物やプランクトンを吸い込んで
えらでこしとって食べるのです。
二枚貝は体のほとんどが殻の中に納まっているため、
普段、外から見えるのはこの水管だけです。
二枚貝にとって「顔」であるとも言える水管、
もう少し詳しく見てみましょう。
こちらはドブガイの仲間。
少しわかりづらいですが、ドブガイを含むイシガイ類の水管は
水を吸い込む入水孔(写真左側)と、
吐き出す出水孔(右側)に区切られています。
ドブガイの仲間の水管は内側にトラ模様があるのが特徴で、
入水孔は細長く、異物を感知する突起が発達しています。
逆に、出水孔は丸く、突起がありません。
ドブガイはしっかり殻を開いて模様のある水管をのぞかせているので
他の貝に比べて華やかな感じがします。
続いてはヨコハマシジラガイ。
始めの写真と同じ種類です。
ドブガイと違って殻の開き具合は小さく、水管に目立った模様はありません。
また、入水孔(写真左側)だけでなく出水孔(右側)にも突起があって、
二つの穴は形も大きさもよく似ています。
ヨコハマシジラガイは流れのある水路の底で
石の隙間などに挟まるようにして暮らしていて、
水管を見る機会はあまりありません。
これはマシジミの水管です。
シジミの仲間は2本の独立した水管を持っているのが特徴で、
1本の水管の出口を仕切って入水孔・出水孔として使っている
ドブガイやヨコハマシジラガイなどのイシガイ類とはかなり違います。
出水管と入水管が独立しているとはいえ、
入水管にはイシガイ類と同じように異物を感知する突起があり、
機能的にはイシガイ類のものとほとんど変わりないようです。
シジミ類の水管の特徴はなんといってもその長さで、
長いものでは自分の殻の大きさと同じくらいの長さになります。
そのため、水管めがけて手を伸ばしても
思いのほか深く潜っていて捕まえられないことがあります。
泥や石の間から水管をだす二枚貝を探すのは大変ですが、
揺れる水面から目を凝らして水底にある水管を見つけたときは
喜びもひとしおです。
種類によって、また個体によっても表情が異なる二枚貝の水管。
暑い日が続きますが、川につかりながらの貝探しはとても気持ちがいいですよ。
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