藤野くんのウホウホ顕微鏡シリーズ⑨ ~コビトノボウシザラ~

昨年、中池見で見つかったコビトノボウシザラ。
名前を聴いただけではどんな生き物なのか
想像もつかないかもしれませんね。
早速ご覧いただきましょう。
(画像大きくなります)

コビトノボウシザラ 

コビトノボウシザラ(ガラスの裏側から見ています)
コビトノボウシザラはカワコザラガイ科の巻貝で、
大きさは2~3mmほどしかありません。

この貝の特徴はなんと言っても殻の形です。
カワコザラガイ科の仲間は殻が皿を伏せたような
形をしているのが特徴なのですが、
コビトノボウシザラの殻はその「皿」に
半分ふたをしたような形をしていて、
昔話に出てくる小人がかぶっている帽子に
そっくりなことからこの名が付きました。
カワコザラガイコビトノボウシザラ
左がカワコザラガイ、右がコビトノボウシザラ(上の写真とは別の個体)。
どちらも頭が下で、腹側から撮影しています。
コビトノボウシザラのつぶらな瞳がかわいいですね!
(写真ではわかりづらいですが、カワコザラガイも顔はそっくりです)

コビトノボウシザラは外来種だと言われていますが、
日本では極めて限られた範囲でしか見つかっておらず
侵略性は低いと思われます。
中池見での様子を見ていても、混生しているカワコザラガイに
押され気味で一向に増える様子はありません。
コビトノボウシザラ
横から見たコビトノボウシザラは台形に近い形をしています。
ちなみに、よく似たカワコザラガイは横から見ると三角形をしています。

コビトノボウシザラコビトノボウシザラ
左は若い個体で、右は老熟個体です。
若いころはカワコザラガイとよく似ていますが
大きくなると急に殻口(殻の出口)が広がって
ひょうたんのような形になります。
こんな形になる貝は他にはまずいません。
とても不思議な巻貝、コビトノボウシザラ。
外来種だと言われても無下にできない、とても魅力的な存在です。

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