藤野くんのウホウホ顕微鏡シリーズ⑩ ~カワニナの稚貝~

中池見には10種以上の淡水巻貝が生息しています。
なので、見慣れない貝を見つけたときは
よく見てみないと種類を見間違えることがあって
特に小さな貝は、元々小さな貝なのか大きな貝の稚貝(貝の子ども)なのかを
見極める必要があります。

今度見つけたのはこんな貝。
カワニナ稚貝
大きさは1mmくらい。
初めは、藻が生えていて巻貝なのかさえよくわかりませんでしたが、
しばらく観察していると下の方から触角が見えてきました。

中池見の巻貝のうちでこんなに長い触角をもっているのは
カワニナやタニシの仲間だけです。
そして、この貝を見つけたのはカワニナの生息地なので、
どうやらこの貝はカワニナの稚貝のようです。


でも、まだよくわからない。
ちょっとひっくり返してみると・・・
カワニナ稚貝
顔が見えました。触角の根元にある黒い点が目です。
その他にも殻の入り口の形や、
写真には写っていませんがフタを持っているなどの特徴から
カワニナの子どもに違いなさそうです。


途中までは、かえらしい顔やな~なんて思いながら撮影していたのですが、
しばらくたっても一向に起き上がる気配がありません。
どうやらカワニナの子どもは自力で起き上がれないようです。
(もしかするとこの子が鈍くさいだけかもしれませんが)

カワニナは巻貝としては珍しく、卵を産まずに直接稚貝を産みます。
その理由は、かたい殻を持たない幼
生を生むよりも、
ある程度しっかりした子どもを生んだ方が
生存率が上がるからだと言われていますが、
こんな様子を見ていると他人事ながら心配になってきます(笑)


ちなみにこちらが大人のカワニナ。
カワニナ
殻の長さが4cmほどもある大きな貝でした。
螺肋(殻のすじ)と触角の模様がオシャレ!

自力で起き上がることもままならない稚貝が
立派な成貝になるまでいったいどれだけの時間がかかるんでしょうね

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