保全活動を行っている現場からの声として、要望書を提出しました。

すでにご承知の通り、
昨年、長年の夢であった、ラムサール条約登録が叶った直後、
北陸新幹線の計画ルートが、後谷を分断し、深山の湿地側をトンネルで通るという、
信じられない変更が認可されました。
このラムサール条約湿地「中池見湿地」に浮上した北陸新幹線のルート問題。
今月中には、新幹線建設による環境への影響を検討する、
「北陸新幹線、中池見湿地付近環境事後調査検討委員会」が開催されます。
このことを受け、私たちNPO法人中池見ねっとは、
ラムサール条約湿地および国定公園、
それぞれの管理に責任のある環境大臣と福井県知事との間で、
中池見湿地の生態系が将来にわたって維持される為の
協議・検討が開始されるよう求める要望書を、
環境大臣、福井県知事に提出、
合わせて、機構に対しても、
調査計画などについて中池見湿地保全に関わる全ての関係者への定期的な報告や、
中池見湿地の生態系が将来にわたって維持されるよう
工事計画の変更、調整を行うことなど要望書を提出しました。

 
【要望書概要】

北陸新幹線の計画路線が通過する中池見湿地の後谷は、
湿地内部とはまた別の生態系を育む場所です。
また、トンネル掘削が計画されている深山は、湿地の大切な水源地であり、
この深山からの水の供給が減ることによって、
多くの生物の生息環境が悪化するだけでなく、
世界的に見ても貴重な中池見湿地の泥炭層への影響にまで及ぶ恐れがあります。
これまで、すでに多くの団体から指摘のある通り、
この北陸新幹線建設は、ラムサール条約湿地の保護に大変大きな影響を与えるものです。
 
これらの懸念事項について、
関係者間で十分検討され、然るべき対策が取られることが必要ですが、
中池見湿地は国定公園特別地域に指定されており、
また、ラムサール条約湿地にも登録されているため、
自然公園法によって福井県知事は開発を許可しようとする場合、
環境大臣と協議しなければならないとされています。

私たち特定非営利活動法人中池見ねっとは、
最終段階での協議ではなく、
機構による環境調査が始まろうとしているこの時期において、
速やかに、福井県知事と環境大臣の間で具体的な調査方法も含む協議が開始されること、
中池見湿地の生態系が将来にわたって維持され、
国際的に重要な湿地とされる中池見湿地の価値を失うことのないよう、
十分な協議が行われることを要望します。


提出した要望書はこちらより

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