中池見連続講座、終了!いっぱい学んだおかげで、もっと知りたくなっちゃいました(笑)

活動・イベント
私たち、中池見ねっとと、
ラムサール・ネットワーク日本の共催で行った、
2014エコトーンプロジェクト
ラムサール条約湿地中池見連続講座が終了しました。
その様子をご報告します。
この講座は、ラムサール条約に登録され「国際的に重要な湿地」と、
世界から認められた中池見湿地なのに、
何だか、そのすごさが、ちゃんと伝えることができてないなぁ、
と現場でもどかしく感じていたところから、
この際、何がどうすごいのか、あらためてしっかり学んで、
しっかり伝えたい、そして、
中池見のすごさを知り、それを自慢できる人を増やしたい、
という思いで企画しました。
 
10月5日(日)に開催した第1回目。
花輪さん花輪さん
ラムサール・ネットワーク日本の花輪伸一さんから、
「ラムサール条約 湿地を守る知恵とその歴史」というテーマで、
湿地の定義やラムサール条約の謳っていること、さらに、
中池見湿地の価値や抱えている課題、その解決のヒントとなる事例の紹介など、
丁寧に解説いただきました。
続いて、

平井先生平井先生

大阪府立大学の平井規央先生より、
「中池見の水辺の生き物とそのネットワーク」というテーマで、
四季折々に出会える豊かな生き物の紹介から、
2年前に行った調査から見えてきた近年の環境の変化について、
そこから見える中池見保全に向けての課題、
さらに、中池見が地域の生き物たちのネットワークの核心となるべき場所として、
その維持の大切さが語られました。
昼食後は、午前の話
を確認すべく、フィールドへ。
野外観察〜笹鼻池コシマゲンゴロウ
平井先生といっしょに参加くださった、
府立大学の3人の学生さんたち(鈴木さん、神野さん、喜多さん)たちの活躍もあり、
次々と生き物たちがゲット、そして、確認されていきます。
参加者の皆さんは、それらを紹介いただきながら、撮影やメモに大忙し(笑)
そして、後谷へ・・・
野外観察~後谷府立大の皆さん
この日は、台風接近のため、コンディションが悪かったにもかかわらず、
参加者の気合(笑)と、平井先生や学生さんたちのがんばりで、
多くの生き物たちに出会えました。
生き物あれこれ
そしてこの日のハイライトは、何と言ってもこれ!↓
野外観察〜アオヤンマ
今年、中池見で20年ぶりに確認されたアオヤンマのヤゴです。
神野哲行さんが採集し、鈴木真裕さんが同定してくださるという
学生さんの連携プレイで、
その場が一気に盛り上がりました(笑)
今年その姿を見せてくれただけでなく、
次につながる希望も見えたわけですから、本当に感激しました。
なんだかんだいって、やっぱり中池見はスゴイんだなと、
そのポテンシャルの高さに感動した一日でした。
そして、11月2日(日)に開催した第2回では、
青木先生参加者
金沢大学の青木賢人先生より、
「生命を支える器『袋状埋積谷』という地形の成り立ち」をテーマにお話を伺いました。
その中で、まず、「地生態学:ジオエコロジー」という考え方について、
生物の分布条件として、地形・地質・気候・水文などの無機的な環境、
すなわち「器」となるものが重要であること、
さらに、生物の多様性を保護するためには、
その無機的な環境の多様性の保護が大前提となる、
つまり、中池見の生物多様性を守るためには、
中池見の「器」である湿地そのものが守られることが大切、と話され、
中池見湿地の成り立ちについて、わかりやすく説明されました。
目からウロコなお話ばかりの中で、
特に印象深かったのは、地震は人の生活においては、大きな災厄となるが、
自然の大切な営みであり、中池見がこれまで湿地であり続けてきたという奇跡は、
地震が繰り返されてきたことによってもたらされてきた、ということでした。
そして、近年明らかになった、中池見の中を通る「池見断層」の存在について、
また、現在計画が進められている北陸新幹線のトンネルについても、
もし、この「池見断層」を傷つけるようなことになれば、
10万年もの長い間湿地として保ってきた「器」を壊すことになると懸念を示されました。
野外観察野外観察〜江尻
午後は、フィールドに出て、実際地形を感じてみます。
「数千年に一度の間隔で起こった地震により東側が隆起してできたのが深山と中山、
一方、西側は相対的に沈下する形となり、いわゆる逆断層になっている、
断層は一本の線をひくようにあるわけではないので、
ここだと断言はできないが、山裾にあると考えます・・・」
野外観察〜江尻野外観察〜後谷
後谷・・・
「江尻からやんわりといったん上がって下がる感じだよねぇ。」
「そういえば、そうだ・・・」
「結構、谷の幅が広いですよねぇ」
「どうして、幅が上流と下流で変わらないんだろう・・・」

< div style=”font-family: Verdana, ‘qMmpS Pro W3’, ‘Hiragino Kaku Gothic Pro’, CI, Meiryo, ‘lr oSVbN’, Osaka, Arial, Helvetica, sans-serif; font-size: 12px;”>などなど、先生に促されるままに、地形を見ると、

いろいろな疑問が湧いてきます。
そして、今まで気が付きもしなかった「わからないこと」が、
いっぱいわかりました・・・(笑)
対談
フィールドから戻って、花輪さん、青木先生の対談、ということでしたが、
先生方を囲んでの質疑応答タイムが膨らむ形になりました。
いろいろな話が出る中で、
中池見の保全に向けて、これからどうすれば?という話題では、
青木先生からは、新幹線の問題を受けて、
守りたい、壊したくない、という人の声が増えること、と、
花輪さんからは、保全のイメージについては、
人それぞれ違うだろうが、地域の中での合意形成がしっかりされながら、
賢明な利用、つまり持続可能な保全と活用について決めていく、
また、何年かごとに見直していくことが大切と、語られました。
なお、今回の連続講座、とても中身の濃い連続講座でしたので、
講座の内容を、多くの方にしっかりお伝えできるように、
これからまとめ、お読みいただけるようにしたいと思っています。
・・・ので、がんばりまっす(笑)
そして、講座にご協力くださった先生方、学生さん、
そして、参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました。

コメント

  1. のぶどう より:

    講座内容の記録読んでみたいです。
    楽しみに待ってます。

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