ザリガニ合戦冬の陣 改め 冬でも見られる水辺の生き物

1月の観察会は、開催までに若干の修正が必要になりました。

というのは、1週間前にタモ網とバケツ持参でザリガニを獲りに親子連れが来られたり、
NHKがイベント情報をニュースで流すと連絡してきたのですが、原稿を聞かせてもらったら
中池見=ザリガニという数年前のイメージだけが伝わりかねない内容であったりと、
誤解される危険性をひしひしと感じたからでした。

そこで、タイトルを「冬でも見られる水辺の生き物」として、ヒメゲンゴロウやトンボのヤゴや
ドジョウやキタノメダカ、アカハライモリにスポットを当て、ついでに稚ザリガニは防除すると
いうトーンにしました。

それでも、すでにザリガニ合戦冬の陣で情報が流れているので、ザリガニマニアの人が来ないか
心配しながらのスタートでした。

大人15人、子ども8人の計23人という予想以上の参加者で、10部しか資料を作っていなかった
ので慌てて増刷しました。

15分ほど説明をして、早速、イモリが見られる場所に向かいました。

北陸の冬にしては珍しい青空です。

まず、イモリの越冬ポイントでそっとすくい取りをします。

「イモリだらけや~」という声も聞かれるほどです。
(上の1尾はドンコで、アブラボテもたくさん見られました)

ウワサ?のイシガメもいました。水の底で越冬するんです。
お目当ての生き物に出会えたので、次のポイントへ移動します。


場所はミツガシワの小池から水が出て行く狭くて浅い水路です。


キタノメダカにドジョウにドンコにマツモムシ…
実は、一番元気でたくさんいたのはヨコエビで、脱皮直後の白いヨコエビまで見れました。

今回、説明ではアメリカザリガニと競合しているトンボの幼虫(ヤゴ)や小さいゲンゴロウ類を
押していたので、ヨコエビやコミズムシなどを紹介しないでフィールドに出てしまい、
彼らには失礼なことになってしまいました。

肝心のヤゴですが、ポツポツと見つかりました。

一方アメリカザリガニは、「ヨコエビと見分けがつかない」という声も
ありましたが、しっかり捕獲していただき、全部で176尾でした。

トンボ類のヤゴはシオヤトンボと思われるヤゴが10頭ほど、
ゲンゴロウ類は、マメゲンゴロウの仲間と思われるものが2頭ということですから
やはり、この場所は未だにアメリカザリガニが優占していると言わざるを得ません。

センターに戻ってきて、10~20mmの稚ザリガニは、ギンブナやドンコなどのえさにします。
子どもたちにえさやりも体験してもらいました。

たくさん生まれてたくさん食べられるというのが自然界の生命のつながりですから、
要注意外来生物であるアメリカザリガニはしっかり在来の生き物に食べてもらいます。

人間の方は、最後にあったかいぜんざいをいただいて、観察会を終了しました。

本日は、寒い中をご苦労様でした。

次回、2月9日(日)、初心者のためのバードウォッチングも楽しみに、参加をお待ちしています。
 

コメント

  1. g より:

    自然を眺めるのになにより大切なのはスタンスだろうと思っています。私は鳥見好きですが、「カラスは残酷でキクイタダキは可愛い」がどうしても理解できないでいます。

  2. sasaki より:

    観察会参加させて頂き、こつがわからずあまり捕獲できなかったので、ザリガニが176尾も取れたとは驚きました。
    ぜんざいありがとうございました。
    土の中にこれだけ生き物がいれば、イノシシにとっては食堂みたいなもので、掘り返すのが理解できました。足跡も確認しました。
    別の地域で田んぼのお手伝いをしていて、ザリガニも良く見ますが、作業中は忙しく、観察のために田んぼに入ることもないので、いろいろお話を聞けるのも良く、また寄らせて頂きたいと思います。

  3. mayuyasu より:

    「ウワサ?のイシガメ」と紹介されている亀ですが、頭から首に掛けての模様が見えないので断言は出来かねますが、甲羅だけ観るとクサガメだと思えるのですが。
    甲羅の隆起(キール)が3本あるのがクサガメの特徴です。
    観察会とは直接関係の無い内容で、申し訳ありません。
    中池見湿地だよりは楽しみに読ませて頂いております。
    今年は是非、お邪魔させて頂こうと思っております。

  4. スタッフmasuda より:

    昆虫などの姿は精緻で素晴らしいと思うことはありますが、私も、生き物に対して、残酷とか可愛いという見方はしておりません。人間の都合で持ち込まれた外来種が、在来種を圧迫している場合、残酷とか可愛いとか関係なく、在来種のために外来種を取り除く作業をせざるを得ないと考えて取り組んでおります。
    クサガメかイシガメかですが、私も直接確認したわけではないので断定はできませんが、先週も同じ場所で水底にいたイシガメを確認しており、あの場所で毎年イシガメが冬眠するので、ウワサ?のイシガメと決めつけてしまいました。機会があれば、きちんと確認します。
    観察から保全へ、保全しながら観察を、みなさん、中池見のミニ田んぼ活動にも是非とも参加をお願いします。

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