「おっちゃんら、なんかおもしろいことやっとるで~」
と、スタッフTさんに呼ばれて行ってみると、
中池見会の皆さんがセンター前の水路を直しています。
傷んだ土留めをはずし、素掘りの水路に戻そうとしているとのこと。
腐ってボロボロになった杭を抜いています。
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滑車を近くの木道にかけて、軽々と杭を抜きます。

抜けてきた、抜けてきた~

ボロボロだった杭ですが、水の中にあった部分は新品同様!
おっちゃん曰く、「つけもん(漬物)やから腐らん」
なるほど・・・
腐ったところは切って、残りのきれいな分で、
また別の作業に使うそうです。
無駄がない!

滑車をかけるところがない場所では、やぐらを立てて使うそうです。
やぐら使うところも見てみたいなぁと、言いましたら、
昼休み終わってすぐ、やぐらができてる!
え???
「今、作ってきた」
って、早や!!(笑)
(画像大きくなります)
さっそく道の杭で実演。
このロープ柵も杭が土中で腐って危険なので、
取り替える予定だったそうです。

確かに、上は何ともなく見えたのに、
土の中にあった部分は腐ってすかすかになってます、
これは危険・・・
でも、このあとの作業は、この腐った部分が折れて残らないように、
慎重に進めなければいけないそうです。
それにしても、こんなシンプルな道具の扱いようで、
なんでもうまいことできるのねぇと、感心していましたら、
昔は、この道具で、田んぼの根木(ねき)を抜いとったんや、
沈まんように下に板をひいてな、その上にやぐら立てて・・・
江戸時代に新田開発されて一面田んぼになる前は、
中池見は、大きな杉が鬱蒼と茂る沼でした。
その杉を切り倒し、水路を整備して田んぼにしたそうですが、
その杉の根っこ「根木(ねき)」が今もまだ至るところに残っています。
農作業には、この根木がじゃまでとても苦労されたそう。
近年では、はっぱをかけて取り除こうともしたそうですが、
完全にとりきってしまうと、そこは深い穴になり、
かえって使えなくなったという話も聞きます。
中池見のお百姓さんたちは、
この根木のある深い田んぼを、知恵で工夫しながら、
おいしいお米を作ってこられたんですよね。
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