昔、中池見で田んぼをしていた農家の方は、
取っても取っても生えてくる、デンジソウなどの水田雑草のことを、
「悪草(わるぐさ)」と呼んでいました。
しかし、それらの悪草の多くは、
今や全国的に希少種となってしまっています。
中池見でも、人の手が入らなくなり、
また爆発的に増えたザリガニのせいで、
一時はデンジソウも絶えそうになったこともあります。
でも、ザリガニ圧の少ない場所や、
ザリガニ防除に力を入れた場所では、
今は、水田雑草の勢いを取り戻しています。
ワシャワシャと生えていた、その元気なデンジソウも、
気がつけば、枯れて姿もまばらになっていました。
そんな中、ふと見ると・・・
もやしの頭のような黒い粒があちらこちらに・・・
デンジソウの胞子嚢果。
草に見えますが、実はシダであるデンジソウは、
種ではなく、胞子を作ります。
その胞子が集まったものが胞子嚢、
さらにその胞子嚢を収納したカプセル状のものが胞子嚢果、
そんな感じでしょうか。
「今年はそろそろ店じまい、また来年出てくるからね」
デンジソウが残したカードを見つけた様な、
ちょっぴり淋しく、でもほんのり温かい、そんな気持ちになりました。
コメント
水生シダの仲間のデンジソウは胞子嚢果の中に二種類の胞子嚢ができます。大胞子嚢と小胞子嚢がいます。
大胞子嚢の中にはたいてい1個の大胞子、小胞子嚢の中にはおっしゃるとおり、たくさんの小胞子がいます。
胞子に雌雄がある場合、雌を大胞子といい、雄を小胞子といいます。
たくさんあるのでしたら、スライスして観察標本をつくったり、発芽させて前葉体や、受精した前葉体から胞子体が発芽する様子を撮影したり、観察標本にしたりするとよいかもしれませんね。
中学校の理科でシダ植物の生活環は習うけれど、水生シダは習いませんからね。
中池見ならではの観察資料ができると思います。
七七丸さま
デンジソウの胞子嚢果について、詳しく教えてくださってありがとうございました!
おっしゃるとおり、センターでデンジソウの胞子嚢果の中身が見られたら、それは絶対面白いですよね~
そして、実物はたくさん目の前にあるわけですし・・・
高い倍率の顕微鏡を使う必要があると思いますので、
いつでも誰でも、チビッ子でも、というわけにはいきませんけれど、
ちょっとスタッフで相談して、やり方を考えてみたいと思います。
楽しいご提案、ありがとうございました!