3月22日はビジターセンターでみんなで報告会がありました。
みんなで報告会とは、中池見湿地で活動している地元の小中学生から企業や研究者の方、調査をされている方まで様々な方々が1年を通しての活動報告をする場です。
この報告会は地元の方や中池見湿地に関心がある方に向けて、情報が公開される貴重な場です。
しかも聞くだけなら無料なので聴かない手はありません。
最初は咸新小学校さんの発表です。
咸新小学校さんは毎年色々な活動を中池見湿地でしてくれています。
今年も米作り体験や生き物調査、他にも様々な活動をしてくれました。
発表の後で、なんと今年自分たちで作ったお米を、
地元東郷地区の文化祭で販売した収益から、中池見に寄付をいただきました!
みなさんのお気持ちが、本当に嬉しくありがたいですね。
中池見人と自然のふれあいの里の吉田館長にしっかり手渡されました。
次は敦賀気比高校付属中学校さんの発表でした。
敦賀気比付属中学校さんは毎年興味深い発表をしてくれます。
水質でそこに生息する生物相は変わってくるのかといった内容です。
企業さんの発表もあります。
アイシン・エィ・ダブリュ工業株式会社さんです。
毎年、田んぼを作っていただくことの他、
ザリガニ駆除などのボランティア活動を年間通して行っていただき大変助かっています。
中部大学の村上先生のお話しです。
今中池見湿地で深刻な問題とされている笹鼻の池。
今回は江堀りで湿地にどういった影響が予想されるかという内容での報告をしていただきました。
江掘りをすることで、水路の水位だけでなく地下水位も下がることがわかっているが、
水位の変動は、江掘りだけでなく周囲の植物による蒸散作用もあり、
1度の調査ではなく、継続して観測する必要があるとのことでした。
今年の珪藻の話は福井県立大学の佐藤先生に話をしていただきました。
中池見にいた2種類のケイソウを、
一般的なものをラクダケイソウ、不老不死(?)のマイケルケイソウと呼ぶなど、
ユーモアあふれる、わかりやすいお話ぶりでとても楽しく興味深かったです。
毎年中池見湿地のトンボの観察会で講師をされている和田茂樹さんにもお越しいただきました。
中池見湿地のトンボの多様性、そして面白い生態等、トンボ尽くしのお話しです。
特に、ムカシヤンマのヤゴは一度観察してみたいと思いました。
広島大学の寺川さんです。
とても気になっていた蘚苔類のことについて調査して頂いています。
蘚苔類とはコケのことです。
コケと言っても水槽にはびこるコケではなくモスのことを指します。
これまで調査も少なく、とても気になるので今後も継続して調べてほしい分野です。
今、中池見でとても注目されているドジョウの発表です。
今年も近畿大学の岡田さんに来ていただきました。
実は日本に生息するいわゆるマドジョウは1種ではなく、いくつかに種分化しているのではないかという内容です。
特に中池見では複数のグループが確認されており、調査する場所としてとてもいい場所だとのことです。
今年も近畿大学の方々による調査が続くようなので解明される日を楽しみにしています。
カメについての深刻な問題もあります。
カメについてはお世話になっている和亀保護の会の西堀さんにお越しいただきました。
中池見湿地にいるカメと言えばイシガメとクサガメなのですが、
実はクサガメは外来種だということが最近わかりました。
そういった外来カメが日本の環境に及ぼす影響と、
中池見での取り組みについてお話しいただきました。
中池見で20年以上もの間鳥類の調査をされている吉田一朗さんです。
長年調査をされていて、今中池見で記録のある鳥類は18目52科179種にもなりました。
長年見てきたからこそわかることや見てきたものを話してくれました。
NPO法人中池見ねっとスタッフの浅利も発表しました。
中池見で新たに見つけたアリや好蟻性昆虫などもご紹介しました。
同じく中池見ねっとの藤野も発表しました。
中池見とその周辺の淡水貝類についてです。
とても気になる内容だったので続報に期待しています。
会場内では、大阪市立自然史博物館の藤江隼平さんより、
中池見湿地で得られた新種のサムライコマユバチと題したポスターや、
当日、会場に来られていた金沢の小学5年生西村瑛人さんの昆虫新聞も、
掲示され、みなさん熱心にご覧になっていました。
最後にみんなで記念撮影
発表者の皆様、そしてご清聴くださった皆様、
本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
どの発表も地元の方に聞いてほしいものばかりです。
来年も行う予定なのでぜひ聞きに来てください。
今後もよろしくお願いします。
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