オウレンが咲き、アカガエルが卵を産み、中池見もずいぶん春めいてきました。
明日は小さな貝の観察会。準備のために貝を探していると、、、
木の板の裏に何やら小さな生き物が、、、
この大きさ、この模様はもしや、、、
もしやもしや、ナカイケミヒメテントウ!?!?
ナカイケミヒメテントウは体長が2mmほどしかないとても小さなテントウムシで
1996年に世界で初めて中池見で見つかったので、この名が付きました。
学名を「Scymnus nakaikemensis」といい、こちらにも中池見が入っていて
まさに中池見のシンボルともいえる生き物です。
見つかった当初は中池見にしかいない固有種であるとされていましたが、
その後、関東地方などにも生息していることが分かりました。
なお、生息している場所がいくつか見つかったとはいえ彼らが生きていくためには
広いヨシ原やスゲ原が必要であるとされており、希少な昆虫であることには変わりありません。
実は、中池見ではその生きた姿を見た人がほとんどおらず、これまでは見つかったとしても
「トラップで偶然穫れた」とか、「古い標本箱に入っている」という話ばかりでした。
そのため、過去に何度も捜索を試みたものの、見つけて捕まえたという話は聞いたことがありません。
これまでマボロシのように扱われていた生き物が、いま、目の前にいる!のかもしれない!
本当にこれがナカイケミヒメテントウなのだろうか…
これまで私が想像していたものと比べて少し肩が黒っぽいのであまり自信がありません。
ナカイケミヒメテントウの特徴について調べたところ、
「腹部第1節の腿節線が完全である」ということがわかりました。
なんだかややこしい書き方ですが、どうやら
「お腹の方から見たときに後ろ足の付け根を囲むように溝状の線がある」
ということのようです。
というわけで、ちょっと失礼してお腹を拝見
後ろ足の付け根を囲む線が、ありました!
生きた姿を見たことがなかったために自分の判断には自信がなかったのですが、
これでやっと少し自信をもってナカイケミヒメテントウのようである。と言えます。
中池見のシンボルが今も中池見に生息していることが確認できて、うれしい限りです。
ちなみに、明日の小さな生き物の観察会ではこのナカイケミヒメテントウもご覧いただく予定です!
興味のある方はぜひぜひ、明日朝10時からの自然観察会にご参加ください。
おまちしてま~す。
コメント
お久しぶりのナカイケミヒメテントウですね。
・・・いや、初めましてかも。
っていうか、会ってないし。
でもね、親しみを感じます。
本当にお久しぶりなのです。
中池見で生きた姿がみられたのは20年ぶりかも。
私も図鑑やステッカーでしか会ったことなかったですが
非常に親しみを感じています。
まだしばらくは展示を続けるつもりなので
ぜひ会いに来てください。
初めまして。ナカイケミヒメテントウ、いいですね!
私も一度は見たいと思っています。
大昔、1999年に一度中池見湿地に行ったことがあります。
今と違って車で建物の前まで入れた記憶があります。
そのときはそこで出会った子ども達とゲンゴロウを探しましたが、見つけられませんでした。
さて「腹部第1節の腿節線が完全である」という表現ですが、なかなか難しくテントウムシの仲間では「ある」のがまず前提です。途中で消えて「不完全」か消えず「完全」かで種が異なってきますので、20~30倍程度で実体顕微鏡での観察が必須になってきます。
写真のテントウがナカイケミかどうか実物を見たことが無い私には判断できませんが、ナカイケミであって欲しいと思います。
コメントありがとうございます!
ヒメテントウの分類は難しいですね…
当時はファーブル顕微鏡を使って観察したのですが、他のヒメテントウと見比べたわけではないので、本当に「腹部第1節の腿節線が完全である」か?と言われると、ちょっと自信がありません。
実は、この記事を掲載した直後、この個体に逃げられてしまったため、今となっては確認するすべもないのが残念です。
次にナカイケミヒメテントウと思われる個体が採れたときには生体展示をしようと目論んでおりますので、お近くをお通りの際はぜひ実際にご覧になられてください。
お返事有り難うございます
当方、大阪ですが生態展示には是非寄せていただきます
楽しみにしています