どうせなら中池見を楽しく活用しながらしっかり守れる仕組みづくりに向けての条例でありたいよね、ラムサール条約湿地なんだもん。

冬の中池見 活動・イベント

今年も残すところ一日、平成最後の大晦日となりました。
今年も中池見では様々な出来事がありましたが、その中でも12月に入ってからの2つの事の行方に注目しています。
一つは、北陸新幹線建設に伴う、深山トンネル工事がいよいよ始まったこと、
そして、12月19日に開催された中池見湿地保全活用協議会の中で、敦賀市から中池見湿地への条例制定が提案されたことです。

 

ここから長文になりますが、ご容赦くださいませ。

 

新幹線工事

工事については、影響が最小限に抑えられることを祈るしかありませんが、それでも、国内で初めての環境管理計画が作られ、それに基づいて対策がとられるなどしていることは、国内のラムサール条約湿地や候補地にとっても、意義のあることではないかと思います。とはいえ作られただけでなく、それがきちんと機能するかどうかはこれからしっかり見守らなければなりません。

 

そして、中池見に条例を制定する話については、これまでの協議会の中でもたびたび条例制定は不可能とされており、前回も全く触れられていなかったことなので、突然の提案に大変困惑したというのが正直な感想です。
これは、大阪ガスさんが保全基金として寄付してくださったお金の枯渇を少しでも先延ばしするとともに、今後中池見は指定管理者に任せたい、そのために条例を制定しなければならないとのことです。

敦賀市の話によると、これまで中池見には公の施設としての正式なルールがなかったために、その使い方がわからず使えずにいたり関心を持っていただけなかった人たちがいる、その人たちを呼び込み、保全上のルールの下、中池見の自然資源を使うなどの経済活動もできるようにする。そうして新たに中池見湿地を利用する人たちの増加につなげる、つまり、もっと中池見湿地を活用してもらうための条例だと。

ただ、それならば、この条例案の中にある、ビジターセンターなどの施設を12月~2月の3か月間冬期閉鎖するというのは、どうなのでしょう?
閉鎖といっても、湿地にはいつでも入ることができるのですが、センターなどは利用できなくなるのです。
確かに、他のシーズンに比べて、冬場の来園者数は少なめです。暖房も使うので、一人当たりの光熱費は真夏と同じくらいかかります。でも、雪の降り具合などによる波はありますが、冬でも毎月延べ1000人~2000人近くの来園があるのです。そのすべての方々がセンターを利用されているわけではありませんが、センターが閉じていれば除雪もされず、トイレや休憩など困る方も少なからずおられます。

 

センター前

24日に撮った晴天の様子。

28日の寒波到来の様子。

 

冬の中池見に来られたことはありますか?
ぜひ、ブログのアーカイブから冬の中池見をご覧ください。
周囲を山に囲まれている中池見の冬は、本当にしんとして厳かさを感じるほどです。
でも、そんな空気を打ち破る小鳥たちのにぎやかな声、雪が多ければ多いほど、多くの鳥たちが集まって双眼鏡が手放せません。
雪を踏みしめる楽しさもあり、北風を避けながらコーヒー飲みつつセンターからガラス越しに外を眺める気楽さもあります。
そんなわけで、鳥好きの方々や、カメラ好きの方々のお休み処としても、センターはお役に立っていると思っています。

今回の協議会の中では、提案の説明があっただけで、条例の中身は協議会の中でこれからしっかり議論をしていくことになっています。

そもそもラムサール条約は、ただただ湿地を守るだけの条約ではありません。湿地を保全しつつ賢明な利用(持続可能な利用)を進める、そのために人々が交流し、学び、気づきを得て、それを広めるといったことを大切にしている条約です。どうぞ、今後の協議会での議論にご注目いただくとともに、皆さんもどんなルールがあれば、中池見湿地を守りながら使いやすくなるか、ぜひ一緒に考えていただければと思います。もし、ご意見いただけるのであれば、ぜひ、中池見ねっとまでお寄せ下さいませ。

 

最後までお読みいただいてありがとうございます。

どうか、来年が皆さんにとって、そして中池見にとっても良い年になりますように。。。

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