秋のカヤネズミ調査が終わり、
今年もたくさんのカヤネズミの巣に出会って、
ホッとしているところです。
カヤネズミは、日本で一番小さいネズミで、
草地でしか生きられない動物です。
「湿地」もそうですが、
「草地」も、現代の人間活動から見ると、
役に立たない土地と思われがちで、
気がつけば、いつのまにか開発されたりして失われつつある場所です。
なので、その生活環境である草地の減少に伴って、
このカヤネズミも全国的には、姿を消しつつあると言われています。
けれど、もともと日本では草を上手に利用して生活していました。
茅葺きの屋根、籠や笠を編んだり、畑の肥料にしたり、
雅楽で使われる篳篥(ひちりき)のリードにあたる部分もそうですし、
「草地」は放っておかれる場所ではなく、
人が手を入れて維持してきた場所なのです。
そういう意味では、カヤネズミも水田雑草などと同じように、
人の営みに近い場所に棲む生き物でもあるのです。
さて、これは、マコモで作られた巣です。
アップで見るとこんな感じ。
草を細かく割いて編んで作っています。
すごいでしょう?
この巣はまだ草の緑が残っているので、
そんなに古い巣ではなさそうです。
もう使っていないかもしれませんが、
臆病なネズミに負担をかけないように、
手で触ることはもちろんのこと、
周囲の草も極力荒らさないように気を付けます。
こちらは、ススキで作った巣。
先ほどのマコモが高さ50~60㎝なのに対して、
この大きなススキでは高さ120cmくらいの高い場所に作られています。
こちらは、マコモをメインにして、サンカクイなども割いて使っていました。
けっこう苦心していますね~(笑)
しかも、下は水浸し。
でも、カヤネズミは基本、草伝いに移動し地面にはおりないので、
中池見では水路や池の端にも、作っています。
たくましいようですが、天敵も多く、寿命も野生のものでは半年~1年と言われていて、
とても儚い生き物でもあります。
なので、もし環境が失われれば、あっという間に地域から消えてしまうことは、
容易に想像できます。
これ以上、カヤネズミなど草地の生き物たちの棲む環境が減らないでほしいと、
切に願いながらの調査です。
ところで、この調査が終了し、山際を歩いていたところ、
いっしょに調査をしていたTさんが、土手面にノネズミを見つけました。
しかも、何匹もいて、私たちに気づいてあたふたと土手を上がったり、
草の中に隠れたりしています。
でもね・・・
こんな感じ(笑)
こっちも!(笑)
頭隠して・・・ってのは、この子たちのこと?(笑)
でも、私たち、偶然動いているのを見つけたからこの姿を追えましたけれど、
ちょっと目を離すと、どこにいるのかさっぱりわからなくなりました。
それくらい、土手面に馴染んでいて、
だから、逃げずに隠れてやり過ごす作戦を取ったんだろうなぁって思います(笑)
このノネズミが、何ネズミなのかは、残念ながらわからないので、
(カヤネズミではなさそうな気がします・・・)
近いうちに、詳しい方に伺ってみようと思ってますが、
それにしても、カワイイ!!(笑)
がんばった調査のごほうびかな?
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