はや、3月も終わってしまいますね。
大変遅くなりましたが、19日に開催した今年度最後のイベント、
「みんなで報告会~私と中池見、自慢します!~」の報告をします~
これまで、開催してきた中池見フォーラムにかえて、
みんなでやってきた活動や調査だから、
みんなでワイワイ報告しあおうよっていう思いで、
そのままズバリ、「みんなで報告会」となりました(笑)
第1部、まずは地元咸新小学校の5年生の皆さんからの報告
「こんなこといいな、できたらいいな」
今年行った、トンボ調査、田んぼ、セイタカアワダチソウ抜きなどを通して、
もっともっと、多くの人が中池見にくればいいのに、
どうしたら、来てくれるかなってことをみんなで考えて提案してくれました。
まずは、高学年だけじゃなく、全校で中池見に来たらいいよね、
そして、1年生はこんなこと、2年生はこんなこと・・・したらいいよねって、
自分たちのできそうなこと、
やりたいと思ったことをいろいろと提案してくれました。
続いては、気比高校付属中学校の皆さん。
ユネスコスクールとしての6つの活動から、
1班、中池見の水生生物、陸上生物
2班、中池見湿地の水質調査
3班、中池見での米作り、学校での野菜作り
以上、中池見で活動してくれた3つの班による報告でした。
どの活動も、何年も続けてくれている調査や活動ですが、
それぞれに、少しづつ発展させたり、進化させながら地道に取り組んでくださっているのが、
とてもうれしかったです。
続いては、中池見ねっとの藤野勇馬くん、
そして、中部大学応用生物学部教授の村上哲生先生からの報告です。
「生き物探偵団 わかった?わからん!中池見4 つの秘密」と題した藤野君からは、
今年、秘密基地づくりから生き物や笹鼻池の調査まで、
様々なトライをした生き物探偵団の様子、
そして来年度に向けての課題が報告されました。
村上先生からの報告は、
「『笹鼻池』はどんなとこ? どうなる? どうする?」
と題して、今年、笹鼻池で行われた調査についてクイズを交えての報告でした。
笹鼻池は、これまで全く調査の手が入ってこず、
広さも深さも全く分かっていませんでした。
今年は、まず、村上先生から提案のあった、
子どもからおとなまで誰でも簡単にできるやり方で笹鼻池の深さの変化を測る、
「ダレでも調査」
そして、生き物探偵団や自然観察会で行った様々な調査で、
どのようなことがわかったか、解説いただきました。
特に、池の底の泥の中の微小な生き物の遺骸を調べた結果、
遺骸の多くはアルカリ性の水を好む種類で、
本来の池とは違った環境になっていることがわかりました。
先生からは、さらに水の流れの調査についてのご提案もあり、
さっそく、やってみたいという声もきかれたので、早くも来年の報告会が楽しみになりました(笑)
ここでしばしのインターバル。
茶蔵さんのスコーンと、今年からセンターで飲んでいただいているコーヒーをお求めになるお客様たち。
また、中池見オリジナルグッズ作ってみたよ、コーナーでは、
中池見を応援しようと中池見グッズを作ってくださった、かぎしっぽのにゃにゃさんの
中池見湿地オリジナル織りネームのついたトートバッグやTシャツなどが展示販売されました。
また、同じくアトリエ・フィスクさんが作ってくださった、
中池見の文字やチョウトンボをモチーフにした手作りバッグも展示させていただきました。
さて、続いて第2部では、若い研究者の皆さんの報告です。
第2部最初は、近畿大学大学院生の岡田龍也さん。
「中池見のドジョウはほかのドジョウとは違う!!遺伝的・形態的・生態的分化」をテーマに、
昨年度から継続して調査されているドジョウについての新たな知見を報告くださいました。
続いて、福井県立大学海洋生物資源学部の鎌倉史帆さん。
ズバリ、「珪藻ってなんだろう」
花や虫や魚といった、一見して姿のわかるものとは違い、
植物プランクトンの一種という、なかなか馴染みのうすい生物ですが、
動物プランクトンや魚などのエサであるという意味で、
生態系の中で大切な役割を担っているとのこと。
具体的にどのような調査をされているのか報告いただきました。
次に、大阪市立自然史博物館外来研究員の藤江隼平さんから、
「中池見の昆虫トラップ調査で新発見!」というテーマで、
湿地の中にしかけたマレーズトラップでの調査について報告いただきました。
すでに多くの調査がされている中池見の昆虫ですが、
もともと国内での研究が進んでいない寄生蜂については、
中池見でも調査がほとんどないということで、今回取り組んでくださいました。
調査が進んでいなかったこともあって、ことごとく新発見に結び付くだけでなく、
これまでに発見されながら、その後、なかなか再確認されることのなかった希少な昆虫、
ナカイケミヒメテントウなども、今回の調査で生息が確認されたとのこと。
合わせて、気が遠くなるような緻密で地味な作業についてのお話も大変興味深かったです。
続いては、中池見ねっとの浅利裕太くん。
「2016 僕が自慢する生き物たち!」ということで、
彼の得意分野である魚と、取り組み始めたばかりの好蟻性昆虫について、
報告してくれました。
好蟻性昆虫は、アリの社会の中に紛れ込み、
時に搾取したり協力したりしながら、アリと共生している昆虫です。
アリと合わせてこちらも中池見で調査の進んでいない生き物ということで、
多くの中池見初確認種や、中には県内初確認種まで見つけたという報告でした。
最後は、中池見を愛する人たちのお話、
「つながる!なかいけみLOVE💕」ということで、
自らが中池見ファンである中池見ガールズの奥野愛美さんからと、
年季の入った中池見ファンとして(笑)上野山より報告しました。
中池見ガールズは、消しゴムハンコバイキングやミニ田んぼなどについて、
自分たちが楽しみながら取り組み、
また、ツィッターなどでその様子と共に中池見の魅力を発信してきたことを報告。
上野山からは、「ダレでも調査」に参加してくださったり、
日々、中池見の様々な情報を提供してくださっている常連の皆さんたちのことや、
今年度発足した中池見保全活用協議会の会員の皆さんが、
それぞれに取り組んでくださっていることについて報告しました。
限られた時間の中ではありましたが、
それぞれの調査研究では、まだまだ新発見、新情報が生まれ、
また、保全に向けての活動にも、これからを見据えた様々な提案がなされたことに、
やっぱり、中池見ってスゴイ!面白い!と、ワクワクした時間を過ごすことができました。
さて、いよいよ、新年度がスタートしますが、
1年を通してそれぞれの地道な活動、新たなチャレンジも始まりますね。
次回の報告会が今から楽しみです~!
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