9月11日に行った定例自然観察会のレポートです。
テーマは、「カヤネズミの巣を探そう!」
成体にはなかなかお目にかかれないカヤネズミですが、
巣を見つけることは、比較的簡単です。
もちろん、そこに生息していれば、の話です。
残念なことに、今年改訂された福井県のレッドデータブックに、
カヤネズミも準絶滅危惧として掲載されてしまいました。
県内各地に生息が確認されているものの、
いずこも生息環境の悪化によって、数が減っている、
要するに、カヤネズミが棲める草地が減っているということです。
そんなカヤネズミにとって、中池見は数少ない安住の地ともいえますね。
さて、センターで簡単にカヤネズミについてのお話をして、
手に棒を持ってフィールドへ。
棒は、草をかき分けるのに使います。
水路沿いを歩きながら、周囲の草原の中をのぞきます。
まずはこちら。水路沿いを草刈りしていた館長が見つけ、
刈り残しておいてくれたものです(笑)
こんな感じ、というのを見ていただいて、さて、探してみましょう。
「ありました!」
(画像をクリックして大きくしてご覧ください。)
背の高い草原の中を・・・
オギの中に発見!ずいぶん高いところに作っています。
草原の中を歩いていると、他のものにもいろいろと目がいきます。
「葉が糸で留めてある!中に虫がいるね~」
「ナナホシテントウ、久しぶりに見た~」
ミゾソバの花が一つだけ咲いてる、と思ったら、
周囲にはオオニガナの花芽がたくさん!
「秋祭りの頃には、きれいやね~」
盆花と言われるミソハギ、ここでは、今が満開です。
出たばかりのススキの穂が金色に輝いています。
その奥にあるオギも、もう間もなく美しい穂を出してくれます。
かつての里山にはどこでもあった「カヤ原」
その草は、屋根材に使われたり、かごに編まれたり、肥料にしたり、
生活には欠かせない資源として大切に扱われていました。
カヤネズミは、そうした人の暮らしのすぐそばで生きてきた動物なのです。
昔の生活に戻ることができないとしても、
使える資源を使うことで、
生き物たちを育み、人の心も癒してくれる、
美しい草原を守っていけたらと思いますね。
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